卒FIT後は、余った電気の売電価格が平均10.0円/kWh程度(中央値9.5円、2025年12月時点の買取メニュー)に下がります。蓄電池にためて夜に使えば、その分電気を買わずに済むので、1kWhあたりの価値は大きくなります。ただし蓄電池の価格を電気代の差だけで回収するには長い年数がかかることが多く、停電への備えをどれだけ重視するかで判断が分かれます。
余った電気1kWhの価値
国の調達価格等算定委員会は、自家消費分の便益(買わずに済む電気代に当たる値)を27.45円/kWh(2026年度設定)としています。売電の10.0円との差は1kWhあたり約17円です。実際の差は、ご家庭が電力会社から買っている電気の単価で変わります。
試算の例
| 前提(例) | 値 |
|---|---|
| 蓄電池の実効容量 | 7kWh |
| 蓄電池の価格 | 77.7万円(国の資料の補助事業平均 11.1万円/kWh×7kWh) |
| 1日にためて使える量(ロス込み) | 5kWh |
| 1kWhあたりの差 | 27.45円 − 10.0円 = 17.45円 |
| 結果(例) | 補助金なし | 国の補助金あり |
|---|---|---|
| 年間の効果 | 5kWh×365日×17.45円 = 約31,800円 | 同じ |
| 実質の負担 | 77.7万円 | 77.7万円 − 23.3万円 = 54.4万円 |
| 単純な回収年数 | 約24年 | 約17年 |
※ 国の補助金は「3.45万円×実効容量(24.15万円)」「費用の3/10(23.31万円)」「60万円」のうち最も低い額で計算した例です。晴れない日の充電不足、劣化、電気料金の変動は入れていません。
入れたほうがいい家・急がなくていい家
検討する価値が大きい
- 夕方〜夜の電気の使用量が多い
- 停電への備えを重視する(在宅医療機器、高齢の家族など)
- 太陽光のパワコンの交換時期が近い(ハイブリッド型でまとめて交換)
- 補助金を使えて、価格が目標価格以下
急がなくていい
- 昼に余る電気が少ない
- 夜の使用量が少ない
- 電気代の差だけで元を取りたい
- 先にエコキュートの昼間沸き上げなど、安い方法で自家消費を増やせる
卒FIT後のほかの選択肢(売電先を変える、そのまま売る)は姉妹サイトの卒FIT後の3つの選択肢、売電価格は卒FIT後の売電価格で解説しています。ご家庭の数字で試すなら蓄電池の効果の計算ツールをどうぞ。
資源エネルギー庁は、卒FITについて「○○が一番お得!」といったセールストークに注意するよう呼びかけています(よくあるセールストーク)。
出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)、経済産業省 定置用蓄電システム普及拡大検討会 資料、SII「DR家庭用蓄電システム導入支援事業」公募要領、資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」。